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はじめまして、ひょい太です。この春からこのサイトを担当させて頂く新人です!尊敬する寅さんのように日本全国を渡り歩き、その地域の魅力を力一杯伝えることを誓います!不慣れな点も多々ありますがみなさんよろしくお願いします。 ひょいとFDA.com 案内人 ひょい太
四国を一周するように点在する八十八カ所の札所。徳島は“発心の道場”、高知は“修行の道場”、愛媛は“菩提の道場”、そして香川は“涅槃の道場”とされ、四国は悟りの境地を描き表した『胎蔵界曼荼羅』であると伝えられています。中でも“修行の道場”たる高知は、室戸岬から足摺岬まで海岸に沿って長いルートが続くことに加え“遍路ころがし”と称される急な山道も多く、厳しい道のりが続きます。
ひとつ札所を“打つ”度に内なる煩悩を消し去り、“お接待”と呼ばれる施しを通じて地元の優しさに触れ、巡り合う人々との交流を通じて本当の自分を見つめ直す。悩みや迷いが払しょくされるその瞬間を求めて、人々はいつの時代も札所を巡り続けるのかもしれません。お遍路の過程では「同行二人」という言葉をよく耳にします。これは、たとえ一人旅であってもお大師さま(弘法大師)と二人連れで、道中守ってくださるという意味です。そして、お遍路で使う杖には弘法大師が宿るともいわれています。
お遍路さんは、菅笠に白装束、金剛杖が基本のスタイル。白衣を身に着けて経本を手にすると、背筋がピンと伸びて気持ちが引き締まります。レンタルもできますが、あらかじめ白衣と念珠(数珠)、経本程度は用意しておきたいところ。
準備が整ったら、いざ参ろう、土佐16札所、巡礼の旅へ。
お遍路さんグッズは札所の近隣にある店舗で購入することができます。
1日目 13:00~
空港から東へ向かい、室戸岬を目指します。小腹がすいてはお遍路はできぬ。まずは道中の名物で腹ごしらえといきましょう。
1日目 13:15~
中華麺の産地として知られる赤岡町で生まれた“中日ラーメン”、その名も『ちゅうにち』は、中華麺を和風だしでいただく“町のまかない飯”的メニューです。魚介の旨みとだしがたっぷり効いた和風スープに、細い中華麺、ジャコ天のトッピングという異色の組み合わせ。これはもう、箸を置く隙のないおいしさです。スープを全部飲み干せば元気百倍。さぁ、土佐遍路のスタート地点、室戸岬へ!
1日目 14:40~
四国お遍路の札所は、徳島県の1番札所・竺和山霊山寺(じくわさんりょうぜんじ)から始まり、23番札所 薬王寺(やくおうじ)まで“発心の道場”が続き、24番札所の最御崎寺(ほつみさきじ)以降、39番札所 延光寺(えんこうじ)までが土佐“修行の道場”です。高知最初の札所である最御崎寺は、弘法大師が荒磯修行の末に『虚空蔵求聞持法』を成就したとされる地で、土佐湾に突き出す室戸岬の先端にあります。虚空蔵菩薩を収めた本堂と大師堂に納経を済ませたら、広い境内を散策しましょう。多宝塔の脇にある『鐘楼堂』は、大晦日の『ゆく年くる年』に何度も登場する趣き深い建物です。仁王門を抜けてお遍路道を下山して、東へ少し走ると若き日の弘法大師が難行苦行の果てに三教指帰の悟りを開いたといわれる修行の地“御蔵洞”(みくらどう)」があり、ここでもお納経を頂くことができます。
次の札所まで約15分
1日目 15:35~
朱塗りの山門の先に、125段もの長い石段が続きます。海からの強風に吹かれて一段ずつ登る過程は、さながら洗礼のごとし。ここは「南無大師遍照金剛」と唱えながら踏ん張りましょう。この札所には初代土佐藩主・山内一豊が室戸沖で遭難した際に、本尊の地蔵菩薩がこれを助けたという言い伝えがあり、地元では今でも大漁と海上安全の守り仏として親しまれています。室津港を一望できる本堂からの眺めはまた格別。鐘楼門には船舶の舵を模った紋章が掲げられ、漁師町らしい風情を感じさせる札所です。
次の札所まで約15分
1日目 16:30~
24~27番札所はいずれも高所にあるため、まだまだ“階段の修行”は続きます。26番札所・金剛頂寺の石段は“厄坂”とも呼ばれ、1段ごとにお賽銭を供えて厄除けを祈願し、手を合わせ、首を垂れてはまた登っていきます。興味深いのが、本堂に背を向けるように建てられた大師堂。昔むかし、悪さをする天狗を懲らしめるために、お大師さまが問答で負けた天狗を遠い足摺岬に封じ込めた際、足摺岬の方向を見守るように大師堂を建てたと伝えられています。また、国内でも唯一とされる大師の遺品“金銅旅壇具”をはじめ国指定重要文化財が多数収蔵されている『霊宝殿』は必見です。(要予約)
境内では『がん封じの椿』といわれる椿の老木が存在感を放っています。また、太子堂横には、弘法大師が炊いた米が万倍に増えて人々を救ったという“一粒万倍の釜”が残されている。
神峯寺まで
約1時間
1日目 夜
宿坊とは、社寺に参詣する人々のために境内に建てられた宿泊施設のこと。一般の旅館と同様のサービスが用意されており、誰でも泊まることができます。もちろん、一人旅でもオッケー。タオルや歯ブラシなどアメニティーの備えはないので、忘れずに持参しましょう。夕食は精進料理のみかと思いきや、宿坊によっては新鮮な海鮮などが彩るおもてなし膳を出してくれるところも。食事の際には、生きる糧となる自然の恵みに感謝し、『食事(じきじ)作法』に則っていただきましょう。希望者に写経や座禅を体験させてくれる宿坊もあります。
宿坊の部屋の一例。
テレビも完備されています。
夕食の一例。
いただく前には、正座合掌の作法を。